当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。
葬儀需要の変動について
- (死亡者数)
- 葬儀需要の数量的側面は、死亡者数によって決定され、葬儀事業における所与の条件となります。死亡者数の中長期予測として、国立社会保障・人口問題研究所の「日本の将来推計人口」(平成24年1月推計)における死亡者数の中位推計に依拠すれば、向こう10年間、年平均2%前後の伸び率で死亡者数が増加するとの予測が得られます。また、現実の死亡者数も、平均2.5%の伸び率で推移しました(平成18年〜22年)。しかし、平成21年の伸び率が0.1%の減少となった半面、平成22年は4.8%と大幅に増加するなど、年度毎に平均推定値から乖離した動きを示しております。
したがって、仮にマーケット・シェアおよび葬儀1件当たりの平均単価が変わらないとしても、(当社グループ営業エリアの)死亡者数の変動によって、葬儀およびその関連事業を中核事業とする当社グループの単年度業績が、少なからず変動する可能性があります。
- (季節的変動)
- 年間死亡者数の発生に季節性があるため、12月〜2月が当社グループの葬儀施行件数も相対的に多い繁忙期となります。したがって、葬儀およびその関連事業を中核事業とする当社グループでは、上期よりも下期の営業収益が多くなっております。
また、この繁忙期(特に1〜2月)はインフルエンザの罹患者の発生が多くなる時期でもありますので、その年のインフルエンザ流行の程度によって、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。
大規模葬儀の変動について
当社グループでは、社葬を中心とする大規模葬儀(金額5百万円超の葬儀と定義)による収入が、当期葬儀請負収入全体の11.6%を占めております。市場規模が大きく、当社グループのシェアが低い首都圏の社葬市場でのシェア拡大に努力を傾けておりますが、既に高シェアを有する関西圏の社葬については、当社グループの受注件数は概ね所与であります。したがって、大規模葬儀依存度は漸減傾向にあるとはいえ、社葬を中心とする大規模葬儀の受注件数・金額の多寡により当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。
なお、社葬に関してはここ数年来、ホテルでの「お別れの会」が広がりを見せております。さらに今後、社葬に関する慣例、形態、あるいは社会通念等の変化が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
規制と競争環境について
- (新規参入の可能性)
- 葬儀業界は法的規制、行政指導のない業界でありますが、それは裏を返せば事業への参入障壁が低いことを意味しております。業界内には地域密着型で家業的な中小零細業者を圧倒的多数とする葬儀専業者と、広域展開している一部大手業者を含む冠婚葬祭互助会とがあります。
これまで婚礼を中核事業としてきた冠婚葬祭互助会が葬儀に注力しているほか、成長産業としての認識から、仏事関連産業はもとより異業種(電鉄、流通、生協、農協、ホテル、外資等)からの参入が全国規模で進んでおり、競争激化に拍車をかけております。参入障壁の低さが、今後新たな新規参入を招き、当社グループの業績に影響を与えるような競争環境の変化をもたらす可能性も否定はできません。
- (霊柩運送事業の傾向)
- また、当期連結営業収益の2.8%を占める霊柩運送事業においては、平成2年の認可制から届出制への移行で規制緩和が進み、従来、当社グループが実質独占的に営業していた大阪府下において、運送事業者の新規参入や葬儀業者が自社で洋型車等を保有し運行するケースが増えております。このため、霊柩車の運行回数は減少傾向が続いており、今後もこの傾向は続くと予想されます。ただし、当社グループの事業全体に占める霊柩運送事業の割合からみて、業績への影響は限定的と考えられます。
金利変動について
当社グループの借入負債残高(リース負債を除く)は、当期末34億48百万円(総資産の12.8%)であります。また、その大半(33億42百万円)が長期借入金および社債という長期資金であり、すべて固定金利による調達であります。なお、設備投資を中心とした資金需要は、概ねキャッシュ・フローの範囲内に収めることを財務運営の基本原則と考えております。
ただし、今後、積極的な設備投資及びM&Aに対応するため、一時的には有利子負債が増加するような新規調達の可能性はあり、そうした場合や既存有利子負債のリファイナンスの際に、市場金利の動向によっては、当社グループの業績が影響を受ける可能性がありますが、その影響は限定的と考えられます。
法的規制等について
- (1) 食品衛生法
- 当社グループの料理事業については食品衛生法により規制を受けております。当社グループが飲食店を営業するためには、食品衛生管理者を置き、厚生労働省の定めるところにより、都道府県知事の許可を受けなければなりません。なお、食中毒を起こした場合、食品等の廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等を命じられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
- (2) 個人情報保護法
- 当社グループでは、葬儀の請負等を通じて多くの個人情報を所有していることから、平成17年4月より施行された個人情報保護法の遵守体制構築を経営の最重要課題の一つと位置づけ、プライバシーマークの認証を取得いたしました。
しかしながら、予期せぬ事態により個人情報が流出した場合、当社グループの社会的信用に影響を与え、その対応のための多額の費用負担や企業イメージの低下が当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。